0.3 棋士は「分からない」が分からない

0. はじめに

「ルールを覚えて3日後ぐらいには初段レベルにはなっていた(父親には負けなくなった)。その後、道場に行って、夏休み(冬休み)が終わるころには四段ぐらいになっていた(地方の道場では負けなくなった)。」
これは、一般的なプロ棋士の将棋との出会いと成長記録である。
早いうちに適性の合致を見つけ、一番吸収できる子どもの時期に集中して時間を投入できたという幸運と、もちろん、その後の競争で勝ち抜く努力でプロになっている。

そんな人に、初段にすらなれずにもがいている人の課題や気持ちが分かるはずがない。
自分に同じ経験が無いから、どこで躓いているのか見当もつかないだろう。

しかも将棋の能力は分かりにくい
正確に言うと、将棋に必要な脳の機能は何なのか良く分からない。
指し手から悪い点を見出すことはできたとしても、脳のどの部分をどのように鍛えればよいのか指示できるのだろうか?終盤が弱いから詰将棋をやりましょう、というアドバイスは、私には逃げ口上に聞こえてしまう。ある種のパターン認識が重要そうではあるが、そのためのトレーニングはなんだろうか?スポーツ界では科学的トレーニングが確立され進化しているが、将棋は未だに実戦、詰将棋、棋譜並べ、次の一手という古来のトレーニングがメインとなっている。効率よく強くなる科学的アプローチが開発されることが望まれる。

さて、
プロになるような人は、最初の壁を本人が気が付かない間に飛び越えてしまっている。
長嶋茂雄氏のバッティング指導で「スーッと来たのをバーンと打つ」と言われても常人には分からないように、プロ当人にとっての当たり前は、素人では分からない領域である。そのための苦悩も分かるはずがない。
プロ棋士はアマチュアには優しい方が多いので、懇切丁寧には教えてくれるだろう。しかし、その優しさに甘えてはいけない。将棋に甘えは禁物。ダイエットと同じだ。

では、どうすれば良いのか?
身近にいる、自分よりちょっと上のレベルの人に聞くのが良い。
5級の人は初段ぐらいの人に、1級ぐらいの人は二段ぐらいの人に聞くと、ちょうど良いアドバイスを貰えると思う。可能あれば5局ぐらい連続で指して、自分の指し手のクセなども分かってもらってから意見をもらうと尚好し。更に、自分と棋風が似ている人だと更に良し。

そうやって基礎を固めて、自分の課題をしっかりと分かった上でプロに教えを乞う。
そうしないと、ただ単にプロの意見に左右され、翻弄されるだけになってしまうだろう。

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