2.8 “囲い”の先

2. 棋力の向上

囲った後にはどうすれば良いの?

エントリーレベルで将棋を学んでいく中で、必ず出てくるのが囲いです。
矢倉囲い、美濃囲い、穴熊囲いなど、将棋では多くの囲いに名前が付けられています。変な名前、名前の由来が分からない、今じゃ見られなくなった、など知識として知っておくと観戦でも楽しい。

実戦的には、王を囲うことの安心感、先達の経験値を拝借できる利点など、良いことが多いです。
注意すべき点(Cons)としては、「xx崩し」というような手筋も豊富にあるという事です。金子タカシ先生の「美濃崩し200」はとくに有名だと思います。

さて、
級位者で一番困るのが、「囲った後、どうすればいいの?」ということだと思います。(実体験から)
四間飛車~美濃囲いは手数もかからず、覚えやすく、ほぼ相手の作戦に影響することなく完成させることができます。序盤駒組としては超優秀です。
では、その先、どのようにして将棋を進めていけば良いでしょうか?
いくつかの定跡があることは棋書を見れば分かることですが、実際に自分の実戦となると、ちょっとした相手の変化で分からなくなってしまう、ということが多いでしょう。

もう一つは、
自分から仕掛けられない時の囲いの発展形は、さらにその先があるのか?ということです。
片美濃→美濃→高美濃→ダイヤモンド美濃。次は何を指せば良いのだろう?

更に、
お互い仕掛けなかったらどうなるのだろうか問題。駒組で千日手?
(対コンピューターの「あひる囲い」のように)

私の経験から。
大会で小学生と対局し相手側(先手)が金の左右移動で全く攻めてこないということがありました。もう好形だから動かす意思は無いよという事です。先手から打開する、先手から千日手を狙うのは損、というのはプロ間のみでの暗黙の了解でしょうか?結局、矢倉から銀立ち矢倉にして、更に相手玉に向かってスクラムを組んで押していくという将棋にして最後は勝ち切りました。相手は囲いの先が分からなかったのか、隙を狙っていたのか、今となっては分かりません。小学生は感想戦しないので・・

攻めるというのは瞬間的には駒損することが多く、それを極度に嫌うと一歩たりとて取られないという考えに至ってしまいます。避けるためには3手先、5手先の展望を描ける指導が必要になります。
将棋は、駒を武将に見立てることがあります。人間将棋は見た目にも分かりやすい例です。自分の家来を先に相手方に渡してしまうなんて、と感情移入してしまうと戦争に突入できません。さっきまで味方だった金将に討ち取られた、なんて思ってしまうのも、駒の再利用ができる将棋ならではかもしれません。

囲わないでいいじゃないか?というのは居玉です。
居玉は避けよという格言がありますが、藤井システムの前の格言でしょう。2018年前半あたりもプロの対局で居玉系が多かったように思います。玉を一つだけ前にあがる「中住まい」も囲いではなく、住まいと称しているぐらいなので、囲わずに済ませるという感じかもしれない。

結局は実戦で覚えていく

さて、本題である「囲った後に分からなくなったらどうすればよいか」
それは結局、実戦をしながら学ぶ(負けて覚える、勝って覚える)しかなく、
分からなくなったら、そこから力戦なので、定跡とか関係なく楽しむのが肝要です。
上達し強くなっていくと、アマチュアどうしても研究を知っているかどうかで勝敗が決まることがあります。自分で研究する場合もあるでしょうし、プロをなぞっているかもしれません。いずれにせよ情報戦になっていることは確かです。xxプロがこの前の対局で新手で勝ってますよね、なんてさらっと言われて勉強不足を咎められるのが、高段者の世界です。

級位者は常に新しい局面を見ることができるという利点があります。毎局、新しい発見があるのです。そして、級位者は悪手を指しても破門されません。失敗に寛容で、宝物探しを推奨する世界にいるのです。とにかくたくさん発見をしようとすること。毎回同じ手を指して、同じように負けるのは発見がありません。前回と違う手を指し続けていきましょう。

具体的には

実戦的には、
①損しても直ぐに負けにならない駒(歩、桂馬、香車、攻めの銀)をどんどん捨てる。
②次に交換を考えます。銀と歩など損の交換でも良いです。
③そして、価値の高い駒と交換できないかを考えます。歩と桂馬など。
そうやって、少しずつ実戦で覚えていくしかないです。結局、突き放すようだけど、実戦で覚えるしかないのです(笑)

開戦は歩の突き捨てから、というように、歩を捨てて空間をつくることで局面を変化させて相手に隙ができないのかを探します。将棋は、どこが空いている升目なのかを分かっておくのがとても大事です。角の利きが通ってるのかどうか、相手が使いたい空間はどこか(打ちたいところに打て)など、余白を制する者が将棋を制します。言い過ぎかもしれないけど。

プロの実践例


先日の第45期岡田美術館杯女流名人戦から。 先手の駒組は、何囲いというでしょう?
 1.ガチョウ囲い
 2.骨組み囲い
 3.変形舟囲い
そして、玉は左右どちらに行くでしょうか?あるいは居玉のままでしょうか?

答え。
囲いの名前はありません。玉は左に行きました。

ちなみに大盤解説会での会話です。ガチョウ(鈴木女流二段)、骨組み(山口女流二段)、舟囲いの変形(清水理事)。

結論

将棋は自由なんです。
自由な世界で新しい発見をしよう!というのが将棋です。
囲いの先は闇ですが、マップの無いダンジョン探検と思って発見を楽しみながら指しましょう。

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将棋上達の心構え

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