第77期名人戦七番勝負 第1局 大盤解説会 椿山荘

6. 大盤解説会

寒の戻りの東京は冬のように寒い。
冷たい雨が降り、わずかに残る桜の花が散っている。
摂氏四度でも、名人戦の始まりは春の始まりを意味する。

かつて、「羽生森内は春の季語」と言われていた。最後の羽生森内は2014年の第72期。森内のフリークラス宣言により、季語の再現はならない。
第75期に名人となり2度の防衛を果たしているのは佐藤天彦名人。羽生から奪い、稲葉、羽生を相手に防衛した。
今期の挑戦者は豊島将之二冠(王位・棋聖)、平成生まれの28歳。早くから期待され、昨年、一気に二冠に昇りつめた。
「天彦豊島」は間違いなくゴールデンカードである。もしこれからも続くのであれば季語になってもおかしくない。
穏やかに見える二人だが、奨励会の時からのライバル関係でもあり、お互いに絶対に勝ちたいと思っているであろう。バチバチなはずだ。前夜祭ではおくびにも見せていないようではあったが。

さて、ここ数年は椿山荘に行くのが私の春の始まりでもある。
今年も仕事を切り上げて、いそいそと目白駅経由で椿山荘に向かう。

毎回書くように、この部屋のシャンデリアが UFO のようで素晴らしい。
解説会が始まるまでの室内 BGM はドヴォルザークの弦楽セレナーデ。天彦調だ。

昨年よりも席数が増えており、明日の多くの客入りを想定しているようである。今日は1日目ということもあり50人ぐらいの客入りだろうか。
解説は金井恒太 六段、聞き手は和田あき 女流初段と将棋ファンには馴染みのある二人。金井六段の滑らかなトークで会場の雰囲気も明るい。

名人戦棋譜速報
http://www.meijinsen.jp/

椿山荘といえば立派な庭で有名である。
しかし寒いので外に出ない。パンフレットで我慢する。
対局をしているのは「錦水」で、林の隙間から対局室をかすかに覗くこともできる。

14時開場、14時半に解説会が始まる。
角換わり定跡形のため進行が速い。先手の桂馬が跳ね、敵陣を伺う。「さあ、どうする」という局面になりつつある。

快調に解説を進めるものの、△2二銀あたりから、雰囲気が変な感じになってくる。
そう、恐怖のあれ。「千日手」だ。

既に報道されている通り、馬と飛車の追っかけっこになり両者打開せずに千日手となった。
帰宅してからソフトで分析するも、やはり千日手推奨。
ここで打開しないという事までが両者の事前研究だったのだろうか。
時間の消費が多いのは天彦名人。指し直し局では、後手になるし、時間も少ない。それでも千日手を選択したのだから、相当に危険だと判断しての事だろう。天彦名人はリスクセンサーが最も高い棋士だ。

ファンとしてはこれも1局であり歓迎だが、解説会の二人は戸惑い気味。
今終わっては暴動が起きる。(東京だから起きない)
解説会は二日間通しで3000円、一日のみは2000円。無料じゃない。

ということで、急遽、順位戦最終局の豊島-久保の対局の解説の振り返り解説を行う事に。
この対局は豊島二冠が勝てば自力で挑戦者になるという重要な対局だった。
負けるとプレーオフ。
昨年の3月の死闘、6人プレーオフで最後は羽生挑戦者、というのを誰しもが思い浮かべる中での豊島二冠の勝ち。しかも、割と苦手としている久保九段相手。相当際どい終盤の戦いだった対局だ。

そのあとは、立ち合いの島九段、副立会の松尾八段も会場に来て千日手前後の経緯などを話される。既にニュースになっていたり、ツイートされていたりするので内容についてはここでは割愛する。


その後、戸辺七段も来て千日手にまつわるエピソードを話します。
「調子が悪い時は勝とうと思わず、引き分けで良しと考えて千日手を目指す。」ということを昔実践していたそうです。永瀬七段にもアドバイスしたことがあるそうです。

そんなこんなで16時半過ぎに解説会は終了となりました。
扇子・色紙の販売はありませんでした。明日はあるのかな?

パンフレットのデザインが良いです。方円企画さんですね。

椿山荘に来たならばスコーンを買うべし。
なぜか女子受けするので家人へのお土産として購入。これも毎年の恒例となりました。

さあ、始まったばかりの名人戦は波乱の幕開け。
明日も千日手出るか!

楽しみです。
*明日は仕事の関係で最後まで居れません・・

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